MVアグスタから2台のコンセプトモデル

MOTOARCADIA

2016年09月17日 12:00

MVアグスタファンもしくは同社に対して多少なりとも興味があって、ネットサーフィンに精通している方なら既にご存知かと思いますが、2016年のEICMA(イタリア・ミラノモーターサイクルショー)に向けてコンセプトモデルがお披露目されました

今春に会社の資金繰りが苦しくなり生産が滞ってしまう事態に陥りましたが、ジョバンニ現社長が明言していた現行量産車をベースにした2台のコンセプトモデルだと思われます。

※ 一部で倒産との報道やネット情報が出回っていますが、それらとは違う財務状況との事です。
またメルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデル部門であるAMGと提携しましたが、実際にはMVが期待した資本提携が行われることなく財務状況が悪化する事態となりました。


1台は現行F4のコンポーネントを利用し、外装類だけをデザイン会社の【ザガード】が手掛けた『F4Z』です。



F4Zはローリングシャーシやエンジン等は現行F4用をそのまま流用し、外装類だけをフルカバー化したデザインとされています。
とはいえ、外装類全面変更に伴い、排気系の配置も見直されてはいますが。

フルカバーデザインは1980年代のホンダCBR750Fエアロやレーシングコンストラクターの童夢が手掛けた鈴鹿8耐参戦マシンなどに例が見られますが、直線だけを走行するならともかく車体を傾けて走行するオートバイでは狙った空力性能が発揮できなかった事から主流から外れてしまったデザインです。

ヘッドライトユニットも現行F4そのものの様だし、正面から見ると蛇の目傘の一つ目おばけみたい…
カラーリングもMV伝統の赤/銀でまとめられていますが、一見するとウルトラマンに見えなくもない

公表された写真を見ると外装類だけしか自由にデザインできないという制約があったと思われますが、シャーシなどにも自由に手を加える事ができていれば、フルカバーデザインであってももう少し斬新なデザインにできたのではないでしょうか

ネットでこの写真が出回った直後は散々な評価の書き込みを見ましたが、四輪乗用車でザガードが手掛けたモデルを見ても格好良かった試しが無い(無骨なデザインが多いですね)ので、これはこれでアリだと思います

まぁ、ボクが欲しくなるデザインかと問われれば、NOですが

これらは通常、ティザーキャンペーンで一部やイメージ映像だけを事前に公開して、実車はEICMA期間中にお披露目するのが通例だと思いますが、あっさりと公表しちゃいましたね

MVアグスタ通の間では2017年モデルとして3rdモデルの新型F4が登場する事に期待がかけられていましたが、ジョバンニ現社長が3rdモデルのF4の開発凍結(中止では無く、向う2~3年間は登場しないとの事)に言及していたので、これらF4Zの様な特別仕様車を登場させてプレミアムモデルの地位を維持して行く方針なのかもしれません。

EICMAでのプレスカンファレンスで何が語られるのか期待したいトコロです。

そして、もう1台は新型ブルターレ800をベースにMVアグスタ黄金期にワークスライダーだったG・アゴスティーニがライディングした3気筒GP500ccマシンをモチーフにして、ロングタンクやメガホンマフラーなどの特徴を盛り込んだ『AGO-TT』です。


mv_agott posted by (C)MOTOARCADIA

今、世界的に流行しているネオクラシックブームに遅ればせながら参入するという事でしょうが、先の資金繰り悪化の影響と思われる部分としてブレーキシステムがブレンボからベルリンガーに変更されているのが目をひきます。

ブレンボはMVアグスタにブレーキシステムを継続供給する事に難色を示しているそうなので、その対応策でしょうか

個人的にはネオクラシック路線で往年の3気筒GP500をモチーフにするのであれば、下の写真にある【Maguni(マーニ)】が数年前にMVアグスタの3気筒エンジンを流用して開発したローリングシャーシキットモデル並に徹底的にオリジナルに近づけたモデルにして欲しかったというのがボクの見解です。


magni_f3 posted by (C)MOTOARCADIA

繰り返しになりますが資金繰りの悪化に伴い、コンセプトモデルのためにシャーシをイチから専用開発する事は許されない状況にある事は明白ですが、MVアグスタを購入するユーザーはレースシーンに彩られた会社の歴史と他社と競合する事がないプレミアムな部分に惹かれる部分が大きいのだと思います。

ここ数年でMVファンになったボクにしては辛口の評価になってしまうブログ内容となってしまいましたが、早期に財務状況が改善して第三世代の4気筒シリーズが登場してくれることに期待しています。

まぁ、M・タンブリーニ氏が全身全霊を注いで開発した初代F4以上に魅力的なモデルは未だに登場しておらず、年式は古くなっても頻繁に壊れてもゾッコンなので当分の間は手放しませんけどね

と言いながらマッシモ・タンブリーニ氏が生前最後に手掛け、BMW製エンジンを搭載したどこのバイクメーカーにも属さないオリジナルスーパーバイク【Tamburini T12 Massimo】には少し惹かれますが


t12 posted by (C)MOTOARCADIA

これが3rdモデルのF4だったら良かったのにぃー

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